保険は貯蓄に入る?貯金と貯蓄の違いや貯蓄型保険について解説
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更新日:2023/02/28
保険は貯蓄に含まれるのかという疑問を持っている方もいるでしょう。結論から先に言えば、保険は「貯金」ではありませんが「貯蓄」に含まれます。この記事では、保険が貯蓄に入るのかと疑問を持っている人に向けて、「貯蓄」を目的とした保険の種類や、メリット・デメリット、保険を選ぶポイントなどをわかりやすく解説していきます。ぜひ役立ててください。
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そもそも「貯蓄」とは
貯蓄とは、貯金を含む金融資産全体のことを指します。貯蓄と聞くと現金を貯めることをイメージする方もいるかもしれませんが、それだけでありません。貯蓄には、投資信託や株式、保険、債券など、幅広く含まれます。従って「貯蓄型保険」と呼ばれる積立型保険も貯蓄の一部ということになります。
「貯金」と「貯蓄」の違い
貯蓄とよく似た言葉として「貯金」がありますが、この二つは別物です。貯金とは、現金ですぐ使える状態でお金を貯めること。現金のままにしておくことだけでなく、銀行の普通預金や定期預金なども貯金にあたります。また銀行にお金を預けることは「預金」と言います。つまり、「保険」は「貯金」には入りませんが、「貯蓄」に含まれるということになります。
「貯蓄」を目的に入る貯蓄型保険の種類
貯蓄型保険は、お金を貯めること、つまり「貯蓄」を目的に入る保険です。貯蓄型保険にはいくつかの種類があります。以下ではそのうちの主なものを解説します。
終身保険(死亡保険)
「終身保険」は死亡に備えるための保険です。加入者が死亡した際に保険金が支払われるという仕組みで、一般的に葬儀費用や身辺整理代、残された家族の生活費保障として活用されます。名前の通り、保障が一生涯続くのが特徴です。定期保険とは異なり保険契約の更新がないため、加入時から保険料がずっと一定です。ただし、定期保険に比べて保険料は割高になります。また、生前に途中で解約することで、解約返戻金が受け取れるのも特徴です。
養老保険
「養老保険」は、死亡保障と貯蓄の両方の機能を兼ね備えた保険です。保険期間は、10年間や60歳までなど契約時に決めた一定期間で、加入者が保険期間中に亡くなった場合は、死亡保険金受取人に「死亡保険金」が支払われ、保険期間が終了する満期まで生存していた場合は、満期保険金受取人に死亡保険金と同額の「満期保険金」が支払われるという仕組みです。そのため「生死混合保険」とも呼ばれます。支払う保険料の一部が貯蓄に充てられるため、掛け捨て型の定期保険と比べて保険料は割高になります。
学資保険
「学資保険」は、子どもの教育にかかる費用の準備を目的とした保険です。一定の保険料を支払うことで、契約時に決めた時期に契約内容に応じた保険金額(学資金)を受け取ることができるという仕組みです。さらに契約者が亡くなった場合は保険料が免除され、被保険者に契約時に決めた時期に給付金が支払われます。また医療特約を付ければ、子どもの医療保険にもなります。
個人年金保険
「個人年金保険」は、将来のための資金を計画的に準備できる保険です。国民年金や厚生年金といった公的年金で不足する部分を補う目的で加入するのが基本です。60歳や65歳など契約時に決めた年齢から毎年一定額の年金が受け取れる仕組みです。また年金開始前に亡くなった場合、それまでに払い込んだ保険料に応じた保険金が受け取れます。
「貯蓄」を目的に入る貯蓄型保険の4つのメリット
貯蓄型保険にはいくつかのメリットがありますが、以下ではそのうち主なものを解説します。
お金を貯めながら万一の備えにもなる
貯蓄型保険の一番のメリットは「貯蓄」と「保障」の両立ができること。保険期間満了時や解約のタイミングまでは万一に備えるための保険として活用し、その後は受け取った満期保険金や解約返戻金を使えます。
半強制的に貯められる
保険に加入すると、決められた額の保険料を、毎月必ず支払わなければならないことになります。保険料の支払いは口座振替かクレジットカードで済ませるのが基本のため、自動的に引き落とされます。またすぐにお金を下すこともできないので、つい使ってしまう心配もありません。半強制的に貯蓄ができるため、貯蓄が苦手という人でも確実に資産形成ができます。
定期預金よりも金利が高い場合がある
現在の低金利の状況では、銀行預金の金利は定期預金であっても0.01%などごくわずかです。それに対して貯蓄型保険の場合、商品によっては、一定期間が経過した後の返戻率が銀行預金よりも有利であることがあります。ただし保障が手厚い商品では元本割れする可能性もあるため、よく確認する必要があります。
税金が軽減される
保険の種類によっては、「生命保険料控除」の対象となります。これは所得控除の一つで、生命保険などに加入して保険料を支払っている場合に、支払った保険料の額に応じて課税所得を減額する制度です。活用することで所得税と住民税を軽減することができます。なお生命保険料控除は、一般の生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除の3区分に分かれます。
「貯蓄」を目的に入る貯蓄型保険のデメリット
貯蓄型保険のメリットを紹介しましたが、その半面気を付けるべきデメリットもあります。以下ではそのうちの主なものを解説します。
早期解約すると損してしまう
貯蓄型生命保険は、途中で解約した場合でも解約返還金が受け取れますが、早期に解約すると、受取額は払い込んだ保険料より低くなってしまう可能性があります。契約する際には、解約返還金が支払った保険料を上回るタイミングを確認し、途中で解約することのないよう、プランを立て無理のない範囲で契約するようにしましょう。
万が一保険会社が倒産したときは損することがある
保険会社が倒産した場合、救済保険会社や承継保険会社によって契約は継続されますが、責任準備金の90%までしか保護されません。また、契約を引き継いだ保険会社によって予定利率が引き下げられる可能性もあります。
「貯蓄」を目的に貯蓄型保険に入るのが向いている人
すでに述べたように貯蓄型保険には半強制的に貯蓄ができるという特徴があります。そのため貯金しようと思っていても、つい使ってしまうという人には貯蓄型保険が向いています。また貯金の利子よりは増やしたいけれど、株や投資信託など、大きく減る可能性のあるものは避けたいとい人にもオススメです。
「貯蓄」を目的に入る貯蓄型保険を選ぶポイント
貯蓄型保険を選ぶ際に注意すべきポイントをいくつか紹介していきます。
毎月支払える額を検討する
貯蓄型保険では、途中で保険料を払えなくなると損してしまうという性格があります。そのため、生活を圧迫せず、無理なく支払える額になるよう、保険料額をしっかりと検討することが重要です。
保障内容・保障期間を検討する
保険に加入する上では、自分にとって過不足のない保障を付けることが大切です。従って契約する際には、保障内容や保障期間が適切かを吟味するようにしましょう。
迷ったらプロに相談する
貯蓄型保険が向いているか、入るならどの商品がよいかなどは人によって異なります。自分で判断するのが難しい場合は、プロに相談するのがよいでしょう。保険だけではなく、ライフプランを立てて相談にのってもらえます。
自分のニーズにピッタリの保険選びを
保険は「貯蓄」の一部です。貯蓄型保険に加入しておけば、万一に備えつつ、貯蓄していくことが可能です。貯蓄型保険にもさまざまな種類があるため、どの保険が自分のニーズに合っているかもしっかり検討することが大切です。
ゼクシィ保険ショップでは、自分に必要な保障や、ピッタリの保険商品をアドバイスしてもらうことができます。また保険に限らず、ライフプランの作成や家計全体の見直しも行えるので、ぜひ相談してみてください。
※掲載の情報は2023年2月現在のものです。保険や税制、各種制度に関して将来改正・変更される場合もあります。手続き・届け出の方法も随時変わる可能性や、自治体により異なる場合があります。
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