共済と生命保険は違う?共済のデメリットや選び方を解説
更新日:2023/06/29
「共済」とは、加入している組合員が一定のお金を出し合って、さまざまなリスクに備える制度です。この記事では、共済か生命保険かで迷っている人に向けて、共済と生命保険の違いや、共済のメリット・デメリット、向いている人、選び方などを解説していきます。共済への加入を検討している人はぜひ役立ててください。
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共済の意味
そもそも共済とは、「お互いに助け合う」ということを意味します。共済は利益追求ではなく相互扶助を目的とするものであり、非営利団体が運営しています。特定の地域や職業の人が組合員となり「共済掛け金」を支払い、ケガや病気になった場合や、共済期間満了となった場合などで「共済金」が受け取れるという仕組みです。組合員であれば基本的に誰でも加入でき、加入を断られるケースは少なくなっています。
主な共済
共済はいくつかの種類があり、それぞれで運営組織などが異なります。中kでも主要なものは、「4大共済」と呼ばれる以下の共済です。
こくみん共済(全国労働者共済生活協同組合連合会=全労済)
こくみん共済は、各都道府県にある「共済生協」や労働組合・事業所の「協力団体」、地域の「地区共済会」などで構成される共済。共済ショップは全国各地に展開されており、各都道府県に設置された共済生協にて申し込みが可能です。生保商品・損保商品など幅広い種類のサービスを取り揃えているのがこくみん共済の特徴です。
都道府県民共済(全国生活協同組合連合会=全国生協連)
都道府県民共済は全国生活協同組合連合会(全国生協連)によって運営されている共済。全国にある銀行窓口やインターネットなどから加入することができます。月々の掛金がリーズナブルなのが特徴です。
コープ共済(日本コープ共済生活協同組合連合会)
コープ共済は日本コープ共済生活協同組合連合会が運営管理を行う共済。コープ共済を取り扱っている生協を通して、郵送、インターネット、店舗などで申し込むことができます。取り扱う共済は、医療共済、マイカー共済、火災共済などです。女性や子どもの保障が充実した商品が多いのも特徴です。
JA共済(農業協同組合と全国共済農業協同組合連合会が共同で運営管理)
JA共済は、農業協同組合と全国共済農業協同組合連合会が共同で運営管理を行う共済。加入するには、基本的にJAの「准組合員」に加入する必要があります。申し込み可能な年齢は満75歳までと、4大共済の中でも最長となっています。取り扱う共済は、終身共済、養老生命共済、こども共済などの生保商品、自動車共済、建物更生共済などの損保商品など幅広い商品ラインアップとなっているほか、農業従事者向けの共済商品があるのが特徴です。
共済と生命保険の違いとは
共済と似たものとして生命保険・損害保険が挙げられます。ただし大きな違いとして、生命保険・損害保険は民間会社が運営しているという点があります。また共済とは異なり、生命保険の場合、健康状態や職業により加入できないこともしばしばあります。
共済の3つのメリット
生命保険と比べた場合に、共済にはいくつかのメリットがあります。中でも主なメリットとして次の3つが挙げられます。
掛け金の負担が少ない傾向にある
すでに触れたように、共済は非営利団体が運営しています。そのため、民間保険と比べると、共済は月々の掛け金がリーズナブルになっています。また、年に一度の決算時に余剰金があった場合「割戻金」として還元されるのもメリットです。
掛け金が基本的に一律である
生命保険は年齢によって保険料が変わり、年齢が高くなると保険料も高くなります。それに対して、基本的に共済は、保障内容が同じであれば年齢や性別によって掛け金が変わらず一律です。すべての組合員が平等に保障を受けられるように、お手頃な掛け金が設定されているためです。
保障がシンプルに設定されている場合が多い
共済の保障は「医療保障+死亡保障」など、シンプルな構成で設定されているものが多いのが特徴です。そのため生命保険に比べると保障内容がわかりやすいという利点があります。
共済の3つのデメリット
もちろん共済はメリットばかりではなく、デメリットもあります。メリット・デメリットの両面をしっかりと理解しておきましょう。
保障内容が最低限になってしまう
まず共済のデメリットとして挙げられるのが、生命保険に比べて保障される金額が少なくなってしまう点です。掛け金がリーズナブルな分、保障内容が最低限の範囲内にとどまっている点は注意が必要です。
選択肢が少なく細かいカスタマイズができない
共済では保障内容があらかじめセットになっていることが多く、融通が利きにくいという特徴があります。自分にぴったり合った保障内容を組み合わせるのが難しいというのがデメリットです。
保障が終身タイプでないことがある
共済には終身タイプでない商品も多いです。保障が85歳まで、90歳まで、といったこともあり得ますので、加入時に何歳まで保障されるか確認しましょう。
生命保険のメリット・デメリット
共済に対し、生命保険のメリット・デメリットはどのような点にあるのかも簡潔に確認していきましょう。
生命保険の主なメリット
生命保険の大きなメリットは選択肢が豊富であるということ。各社からさまざまな商品が出ているため、自分にぴったりの保障内容を選びやすくなっています。また、主契約に特約として付けられるオプションも豊富で、カスタマイズがしやすいのも利点です。
生命保険の主なデメリット
共済に比べると掛け金が高くなる傾向にあるのは生命保険のデメリットとして挙げられます。また、保障内容が同じであれば基本的に掛け金が一律である共済とは異なり、性別や年齢により掛け金が変わる点も生命保険の難点だといえるでしょう。
共済が向いている人・向いていない人とは
ここまで見てきた特徴やメリット・デメリットを踏まえた上で、どんな人が共済に向いているのか、向いていないのかを見ていきましょう。
共済に向いている人
掛け金がリーズナブルな分、生命保険に比べると保障金額は少なくなるというのが共済の特徴です。従って、保障は最低限でOKで、できるだけ月々の負担を安くしたいという人に共済は向いているといえます。また、基本的に誰でも加入できるのが共済のメリットです。そのため、持病があるなど生命保険に入りにくい理由がある人にも共済はオススメできます。
共済に向いていない人
保障の手厚さを優先したいという人には共済は不向きです。掛け金が高くても、保障をできるだけ充実させたいという場合は、生命保険を選んだ方がよいでしょう。また、共済はあらかじめある程度の保障内容が決まっているため、細かな保障まで自分に合ったものを選びたいという人にもあまり向いていないと考えられます。
共済に加入するときの選び方
最後に共済を選ぶ際のポイントをいくつかご紹介します。
自分が必要な保障・目的を明らかにしておく
共済に加入する際には、まず自分が共済に入る目的を明確にしておく必要があります。自分に必要な保障の範囲や金額はどのくらいかをあらかじめ把握しておくと、加入すべき共済も見通しが立ちやすくなります。
どんな保障があるのか確認して比較する
すでに述べたように、生命保険の保障に比べて、共済の保障は金額が低い傾向にあります。従って、共済は自分に必要な保障内容を満たしているかどうかしっかりと確認することが重要です。
一度プロに相談してみる
ここまで読んだ上でも、共済と生命保険で自分にはどちらがよいのかをすぐに判断するのはなかなか難しいでしょう。自分にぴったりのものに入りたいなどの場合はプロに相談するのが近道です。保険加入だけでなく、家計全体の相談も可能になります。
しっかり比較して最適な保険選びを!
共済には掛金がリーズナブルで保障内容が分かりやすいといったメリットがある一方、保障がカスタマイズしにくいといったデメリットがあります。共済を検討する際には、生命保険としっかり比較した上で、どちらが自分に向いているかをきちんと判断していくことが大切です。
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※掲載の情報は2023年6月現在のものです。保険や税制、各種制度に関して将来改正・変更される場合もあります。手続き・届け出の方法も随時変わる可能性や、自治体により異なる場合があります。
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