生命保険の「掛け捨て型」とは?「貯蓄型」との違いを解説
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更新日:2024/3/4
生命保険の「掛け捨て型」とは、保障に特化した生命保険で、解約返戻金や満期保険金がなく、その分「貯蓄型」に比べて保険料が割安になっています。この記事では、生命保険の加入を検討したい人に向けて、生命保険の「掛け捨て型」とは何か、「貯蓄型」との違い、「掛け捨て型」が向いている人などについて、わかりやすく解説していきます。
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生命保険の「掛け捨て型」とは
生命保険の「掛け捨て型」とは文字通り、保険期間中に保険金の支払いがなかったとしても、支払った保険料は戻ってきません。また、保険期間の途中で解約しても一般的には解約返戻金はなく、保険期間の満了時にも満期保険金はありません。
10年間、20年間、または60歳まで、70歳までなどというように、保険期間が一定の期間に決められている「定期保険」が一般的です。例えば、保険期間20年の定期保険であれば、20年間ずっと保険料を支払い続けても、保険期間が満了したときに戻ってくるお金はありません。
一方で、割安な保険料で、万一のときの大きな保障を得ることができます。
「貯蓄型」との違い
「貯蓄型」は「保険」と「貯蓄」の両方の役割を兼ね備えた保険と言えます。保険会社は、契約者が支払った保険料の一部を運用して積み立てています。
「貯蓄型」は「掛け捨て型」とは異なり、保険期間の途中で解約した場合には解約返戻金を、保険期間の満了時には満期保険金を受け取ることができます。
このように貯蓄の役割もあるため、「掛け捨て型」に比べて保険料は高くなっています。受け取った解約返戻金や満期保険金はライフイベントの資金に活用することができます。
「掛け捨て型」の主な保険のタイプ
それでは「掛け捨て型」と「貯蓄型」にはどのような保険があるのか見ていきましょう。まずは「掛け捨て型」です。
定期保険
定期保険は「掛け捨て型」生命保険の代表的な保険です。死亡保険なので、保険期間内に死亡または高度障害状態になったときに、保険金を受け取ることができます。
保険期間は10年、20年や60歳満期、70歳満期など契約時に定めた一定の期間となります。保険期間を10年や20年などの年数で決めた場合には、保険期間が満了すると、所定の年齢まで契約を更新することができます。更新する際の保険料は更新時の年齢と保険料率で計算するため、保障額が同じでも通常は保険料が上がります。
保険期間を60歳満期や70歳満期などの年齢で決めた場合には、保険期間の満了により契約は終了し、更新することはできません。
医療保険
医療保険は、病気やけがにより入院したり手術を受けたりしたときに、給付金を受け取れる保険です。保障される期間が一定期間に定められた定期医療保険と、一生涯続く終身医療保険があります。
一般的には定期医療保険や終身医療保険の保険料は掛け捨てとなります。ただし、商品によっては、健康診断などの結果を基に、キャッシュバックがあるものもあります。
「貯蓄型」生命保険の主なタイプ
終身保険
終身保険は、保険期間中に死亡または高度障害状態になったときに保険金を受け取ることができる保険です。保険期間は終身なので、契約が続いていればいつかは保険金を受け取ることができます。
保険料は契約時からずっと変わらず、途中で解約をした場合には解約返戻金を受け取ることができます。
養老保険
養老保険は、保険期間中に死亡または高度障害状態になったときに保険金を受け取ることができ、死亡せずに保険期間の満了を迎えた場合には、満期保険金を受け取ることができます。
途中で解約をした場合には解約返戻金を受け取ることができますが、満期保険金がある分、終身保険よりも保険料は高くなります。
学資保険
学資保険は、子どもの教育資金に備えるための保険です。保険期間の満了時に受け取る満期保険金を入学金などに充てます。
一般的には、保険期間中に契約者(親など)が亡くなった場合に、以後の保険料の払い込みが免除されます。
個人年金保険
個人年金保険は、老後資金に備えるための保険です。保険料を一時払いするか一定期間に積み立てておき、60歳や65歳など契約時に決めた年齢になったら年金として受け取ります。
年金の受取期間が終身の終身年金や、年金の受取期間と受取額が決まっている確定年金などの種類があります。
「掛け捨て型」生命保険のメリット
「掛け捨て型」生命保険のメリットについて見てみましょう。
保険料が抑えられる
「掛け捨て型」生命保険は、「貯蓄型」と比べて、同じ保障内容でも保険料が割安です。そのため、保険料の負担を抑えて高額な保障に備えることができます。
「掛け捨て型」生命保険を活用すれば、子どもの教育資金や住宅ローンの返済で家計に余裕がない時期でも、割安な保険料で万一に備えることができます。
シンプルでわかりやすい
保険商品の内容は、複雑でわかりにくいものが多いのですが、「掛け捨て型」生命保険はシンプルでわかりやすいです。そのため、新規に加入する場合に検討しやすいと言えます。
また、定期保険であれば、保険期間が5年や10年など一定期間になるため、定期的に保障の見直しをすることができます。
「掛け捨て型」生命保険のデメリット
では逆に「掛け捨て型」生命保険のデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
保障を受ける機会がなければお金を受け取れない
「掛け捨て型」生命保険は、一般的に解約返戻金や満期保険金がありませんので、保険から保障を受けることがなければ受け取れるお金はありません。
一方で、「貯蓄型」生命保険であれば、保険期間の途中で解約した場合には解約返戻金がありますし、保険期間の満了時には満期保険金を受け取ることができます。
死亡保険は保障が一定期間となるものが多い
「掛け捨て型」の死亡保険は保険期間が10年間や20年間など、一定期間となるものが多く、一生涯の保障を得ることはできません。そのため、保険期間が満了したら、保障を継続したい場合には、更新手続きが必要になります。
更新する際の保険料は更新時の年齢と保険料率で計算するため、保障額が同じでも通常は保険料は上がります。
「掛け捨て型」生命保険が向いている人
それではどのような人が「掛け捨て型」生命保険に向いているのでしょうか?
20代の人
20代の人は、「掛け捨て型」生命保険に向いていると言えるでしょう。
まだ貯蓄が少ない人が多いので、病気やけがで入院することになってしまったときに、入院費などの医療費を貯蓄で賄うのは難しいと考えられるからです。そのため、割安な保険料でも、しっかりと保障が得られる「掛け捨て型」生命保険がおすすめです。
結婚・出産など大きな出費がある人
結婚や出産など、近々に大きな出費が見込まれる人も「掛け捨て型」生命保険に向いていると言えます。
保険料に回すお金の余裕がないかもしれませんが、万一の病気やけがによる医療費の負担に備えて、保険の加入を検討しましょう。その場合、割安な保険料でも、しっかりと保障が得られる「掛け捨て型」生命保険がおすすめです。
「掛け捨て型」生命保険を検討するときの注意点
では最後に「掛け捨て型」生命保険への加入を検討する際の注意点について確認しましょう。
「掛け捨て型」「貯蓄型」を組み合わせた保険もある
これまで「掛け捨て型」と「貯蓄型」に分けて見てきましたが、「掛け捨て型」と「貯蓄型」を組み合わせた保険もあります。
例えば、「貯蓄型」の学資保険に、「掛け捨て型」の子どもの医療保険をセットした保険があります。この保険では、子どもが病気やけがで入院したときなどに給付金が受け取れ、保険期間の満了時には満期保険金、途中で解約した場合には解約返戻金が受け取れます。
また「貯蓄型」の年金保険と「掛け捨て型」の医療特約がセットになった保険では、病気やけがで入院したときなどに給付金が受け取れ、保険料払込期間満了後には年金、途中で解約した場合には解約返戻金が受け取れます。
保険は目的や資産状況に合わせて慎重に
保険の加入や見直しは、何に備えたいのか、目的を明確にすることがとても重要です。
「掛け捨て型」は割安な保険料で保障を得ることができますし、「貯蓄型」は「掛け捨て型」に比べて保険料は高くなりますが、保険と貯蓄の両方の役割を兼ね備えています。
保険料の負担や備えるべき保障は、どれくらいが適切なのか、慎重に検討することが大切です。
迷ったらプロに相談を
生命保険の加入を検討したい人に向けて、生命保険の「掛け捨て型」とは何か、「貯蓄型」との違い、「掛け捨て型」が向いている人などについてご説明しました。
生命保険の「掛け捨て型」の魅力は、何といっても、割安な保険料で大きな保障が得られることです。
そして、保険の加入や見直しを検討する際には、自分がどのようなリスクに備えたいのか、加入目的を明確にすることがとても重要です。とは言ってもさまざまな保険商品があるので、自分であれこれと悩む前に、最適なアドバイスをもらうためにプロに相談するのもおすすめです。
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※掲載の情報は2024年2月現在のものです。保険や税制、各種制度に関して将来改正・変更される場合もあります。手続き・届け出の方法も随時変わる可能性や、自治体により異なる場合があります。
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