夫婦で生命保険に入るとお得?種類やメリット、見直す項目も解説

更新日:2024/6/28
ひと昔前は夫婦型保険と呼ばれる商品があり、「夫婦で生命保険に入ると保険料がお得」と言われることがありました。
しかし、夫婦型保険は個別の見直しがしづらく、夫婦のライフスタイルが多様化した現代には合わないことも。過去に夫婦型に加入している人もこれから生命保険を検討している人も、保険は夫婦別々に加入することをおすすめします。
今回は夫婦で生命保険に入る方法から、夫婦で検討すべき生命保険の種類、夫婦型保険のメリット・デメリット、保険は別々に入った方がいい理由までわかりやすく解説します。
夫婦で生命保険に入る際のチェックポイントも解説するため、加入時の判断にぜひ役立ててください。
目次(読みたいところまで飛べます) 閉じる


夫婦の生命保険の加入率・保険料の相場は?
生命保険文化センターの調査によると、配偶者がいる世帯では、夫婦共に生命保険に加入している割合が78.3%となっています。夫婦の生命保険加入率、平均保険加入金額や年間払込保険料を見ていきましょう。
夫婦の生命保険加入率
生命保険文化センターが実施している「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、生命保険の世帯加入率は全生保で89.8%に及びます。このうち、配偶者がいる世帯における夫婦の加入形態を見てみましょう。
・夫婦共に加入している:78.3%
・世帯主のみ加入している:8.2%
・配偶者のみ加入している:2.1%
・夫婦ともに未加入:11.5%
世帯主のみ、配偶者のみといった加入形態は少なく、ほとんどの世帯で夫婦共に加入しています。
参考:
公益財団法人生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」
平均保険加入金額と年間払込保険料
同調査によると、生命保険に加入している世帯の普通死亡保険金額の平均は2027万円です。このうち、世帯主や配偶者の死亡保険金額や疾病入院給付金の平均を見てみましょう。
・世帯主の死亡保険金額:平均1386万円
・配偶者の死亡保険金額:平均692万円
・世帯主の疾病入院給付金(日額):平均9800円
・配偶者の疾病入院給付金(日額):平均8100円
1世帯で年間に払い込んでいる保険料の総額は、平均37万1,000円。月々の保険料に換算すると約3万920円です。ただし、世帯年間払込保険料総額の分布を見ると、「12万円未満」の回答が19.3%と最も多くなっています。実際の保険料額は世帯主の年齢や家族構成、ライフプランなどで大きく変わるため、平均は一つの目安程度に捉えておきましょう。
参考:公益財団法人生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」
夫婦で生命保険に入る2つの方法
夫婦で生命保険に入る方法は、大きく分けて2つあります。それぞれ見ていきましょう。
夫婦で生命保険に一緒に入る
2024年現在はほとんど取り扱いがありませんが、以前は夫婦で同じ保険に加入できる「夫婦型保険」「家族型保険」と呼ばれる商品が販売されていました。
これは死亡保険や医療保険に家族型特約(妻・子型)を付帯することで、主契約の被保険者の配偶者や子どもを保障対象にできるタイプの商品です。契約を一本化できるため管理がしやすく、2本別々に契約するよりも保険料を抑えられる傾向にあります。
夫婦で生命保険に別々に入る
夫婦がそれぞれ別々の保険に入る、一般的な方法です。契約が別々になるため、死亡保険金額や疾病入院給付金額をそれぞれのニーズに合わせて柔軟に設定できます。
例えば出産後どちらか一方が専業主婦(夫)になる、パートに切り替えるなどで働き方を変更した際は、一方の契約プランだけを変更できるため、見直しが容易です。
「夫婦型保険」「家族型保険」のメリット・デメリット
ここでは、夫婦型保険や家族型保険のメリット・デメリットを解説していきます。
メリット
夫婦型保険や家族型保険のメリットは、保険料を抑えられる傾向があること、管理しやすいことにあります。
保険料が抑えられる傾向がある
夫婦が別々に契約を持つよりも、夫婦型保険や家族型保険で契約をまとめた方が保険料は抑えられる傾向にあります。ただし、保険料を抑えられるのは、主契約の保障よりも特約部分(配偶者の保障部分)の保障が少ないからです。配偶者の保障を抑えている分、保険料もリーズナブルになる点には注意が必要です。
手間が少なく管理しやすい
夫婦型保険や家族型保険は主契約に特約を付帯して契約をまとめているため、管理する契約は実質1本です。夫婦の保険証券を1枚にまとめて管理できることや、契約手続きも1回で済む点を思えば、別々の契約より手間が少ないと言えます。
デメリット
夫婦型保険や家族型保険には、保障内容の見直しがしにくい、ライフスタイルの変化に対応しにくいといったデメリットがあります。具体的に解説しましょう。
主契約者の死亡で保障がなくなる
夫婦型保険の契約では、主契約で保障されるのは1人だけで、もう1人の配偶者は特約で保障されるものがほとんどです。
この場合、主契約者が死亡すると、配偶者の保障(特約部分)はなくなります。保険会社や商品によっても異なるため、現在夫婦型や家族型に加入している人は、主契約者死亡時に配偶者の保障がどうなるのかを必ず確認してみてください。
個別で見直しがしづらい
夫婦の契約を一本化していると、ライフステージや働き方の変化に合わせて保障を見直すことが難しくなります。例えば夫が主契約、妻が特約で保障を持っている場合、原則として、妻は夫以上の保障を持つことはできません。
離婚すると配偶者の保障がなくなる
多くの場合、離婚すると夫婦型保険や家族型保険という形で契約を維持できなくなります。主契約者の場合は夫婦型・家族型から個人型という契約に変更できることが多いですが、特約で付帯していた配偶者の保障はなくなってしまうため、離婚後に別の保険に入り直さなければなりません。
夫婦で生命保険に入るなら別々がお得
近年は共働き夫婦が増え、夫婦それぞれの働き方や男女の役割に関する考え方が多様化しています。夫婦それぞれの保障内容を柔軟に設定・変更できない夫婦型・家族型保険は、夫婦の形がこれだけ多様化している時代に合わない契約形態と言えるのではないでしょうか。
ライフステージや働き方に合わせて保障内容を柔軟に設定するためにも、夫婦で生命保険を持つ場合は別々に加入することをおすすめします。
働き方やライフプランによって検討したい保険
夫婦の保険は、男性や女性という性別にかかわらず、その人が亡くなった場合のリスクを考えた上で検討することが大切です。
ここでは、リスクを考える際の指標になる働き方と子供の有無、住宅ローンについて解説します。一度契約するとしばらくはその内容を継続することになるため、将来と以下の指標を見据えた上で、保障内容を選択しましょう。
働き方
夫婦のうちどちらか一方が世帯収入の大部分を占めている場合は、その人に万が一のことが起きた際の収入減少リスクが大きくなります。例えば夫婦の一方が主に働いている場合、検討すべき保険は死亡保険や就業不能保険、医療保険、がん保険などがあります。
一方、専業主婦(夫)が病気やケガで入院すると、家事や育児を担う人がいなくなるというリスクがあります。専業主婦(夫)の場合は、医療保険やがん保険を検討してください。
子どもの有無
子どもの有無でも必要な保険、保障額は大きく変わります。
いずれ子どもを持つことを考えている場合、不妊治療や妊娠・出産に備えて、妻の医療保険を検討しておきましょう。不妊治療を始めたり、妊娠したりすると医療保険の保障に制限が付くことが多いため、早めに備えておくと安心です。
すでに子どもがいる場合は、教育費や子どもを含めた生活費の保障が必要になるため、夫婦それぞれの保障額を手厚くすることも大切です。
住宅ローン
原則として、民間の住宅ローンを契約すると、契約者が死亡時に住宅ローン残額を保障する保険制度(団体信用生命保険)に加入します。団体信用生命保険は長期にわたる住宅ローンの支払いを保障するありがたい保障制度ですが、原則として契約者の死亡しか保障しません。住宅ローンを無理なく返済していくためには、どちらか夫婦一方が欠けても家計に大きなダメージを与えます。一方が住宅ローン契約者で団体信用生命保険も一方しか加入していない場合は、加入していない側に何かあった際の死亡保険やがん保険も検討しておきましょう。
夫婦で検討すべき生命保険の種類
ここでは、夫婦で検討すべき生命保険の種類について解説していきます。
死亡保険
保障の対象である、被保険者の死亡・所定の高度障害状態を保障する保険です。
小さい子どもがいる家庭や住宅ローン返済がある家庭、個人事業主で遺族年金の保障額が少ない家庭は特に検討しておきましょう。
医療保険
被保険者の病気やケガによる、入院や手術を保障する保険です。
治療費の負担に備えるほか、仕事を休むことで生じる収入減少や、家事・育児を人に任せるための費用負担増加に備えることができます。基本的には、働き方にかかわらず誰にとっても必要な保険ですが、大企業にお勤めの場合は独自の健康保険組合の保障が手厚いため、医療保険の保障額は少なくてもいいでしょう。逆に、中小企業に勤めている人や個人事業主は、医療保険の保障を手厚くしておくと安心です。
がん保険
被保険者ががん(悪性新生物)にかかった際、入院や手術を保障する保険です。商品によっては、がんと診断確定されただけでまとまった診断給付金を受け取れるため、がんによる治療費の負担を手厚くカバーできる点が特徴です。
がんは長らく日本人の死因第1位の病気で、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は2人に1人です。罹患(りかん)年齢や罹患する部位は男女で違いがあるため、それぞれの年齢や気になる部位に合わせて保障プランを検討するといいでしょう。
学資保険
子どもの教育費に備えるため、被保険者を子どもにし、親または祖父母が契約者となる保険です。親が契約者になる場合は、保険料払込免除特則を無料で付帯できるため、親に万が一のことがあっても契約を継続し、まとまった教育資金を用意することができます。
一般的には年齢を重ねるほど保険料が上がるため、夫婦のうち年齢が若い方が契約者になると保険料を抑えやすくなっています。
就業不能保険
被保険者が所定の「働けない状態(就業不能状態)」になったとき、収入減少のリスクをカバーする保険です。主に、公的医療保険や民間の医療保険で備えにくい長期の就業不能状態に備える商品が多くなっています。特に個人事業主やフリーランスは仕事を休んでも有給休暇のようなものがなく、公的医療保険の保障も少なくなっているため、就業不能保険があると安心です。
まとめ
近年は共働き夫婦が増え、家庭における男女の役割や価値観、働き方は年々多様化しています。これからの時代に適した保障を備えるためにも、夫婦それぞれのニーズを満たす保険を別々に加入することをおすすめします。現在夫婦型や家族型保険に加入しているご夫婦も、この機会に保障内容を見直してみてはいかがでしょうか。
ゼクシィ保険ショップでは、ご夫婦それぞれの働き方や気になるリスク、今後のライフプランに応じた保険を無料で提案できます。「夫婦別々に保険を考えるのは大変だから、一緒に話を聞きたい」という人は、この機会に窓口にいらしてください。何度相談しても、相談料がかかることはありません。オンライン相談もできるため、気軽にご利用ください。
※掲載の情報は2024年6月現在のものです。保険や税制、各種制度に関して将来改正・変更される場合もあります。手続き・届け出の方法も随時変わる可能性や、自治体により異なる場合があります。


RT-00584-2404