生命保険と損害保険の4つの違い|加入のタイミングも解説

更新日:2024/12/28
よく耳にする生命保険と損害保険という言葉ですが、実はその違いをきちんと理解していないという方もいるのではないでしょうか。原則、生命保険は「人」に対する保障、損害保険は「モノ」に対する補償という点で、基本的な性質が大きく異なります。この記事では、生命保険と損害保険の主な違いやそれぞれの保険の代表的な種類、加入するべきタイミングについても詳しくご紹介します。ぜひ、保険選びの参考にしてください。
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生命保険と損害保険の4つの違い
生命保険と損害保険の主な違いは、次の4つのポイントにまとめることができます。
保険の対象の違い
生命保険と損害保険では、それぞれの保険が何を対象とするかが異なります。生命保険は、病気やケガなど「人」に対するリスクに備える保障であるのに対して、損害保険は、自動車や家など「モノ」に対するリスクに備える補償です。
保険金の支払い方式の違い
生命保険は「定額払い方式」、損害保険は「実損払い方式」と、保険金の支払い方法も異なります。定額払い方式は、実際にかかった額に関係なく、契約した一定額が保険金として支払われる方法です。対して実損払い方式は、原則、実際の損害額が支払われるという方法です。
保険期間の違い
保険金の長さについても、2つの保険では大きく異なります。生命保険の保険期間は20~30年、終身と長いのが一般的です。一方、損害保険は1年を契約単位とするのが基本で、生命保険に比べ短いのが特徴です。なお旅行保険のように、一定期間だけ補償する損害保険もあります。
取扱会社の違い
原則として、生命保険は生命保険会社が取り扱い、損害保険は損害保険会社が取り扱います。生命保険会社は主に自社の営業活動を通じて契約を結びますが、損害保険は保険代理店が中心となり、さまざまな保険商品を取り扱います。例えば、自動車保険に加入する場合、自動車販売店が保険代理店として契約手続きを行うこともあります。
知っておきたい保険の主な種類
保険は大きく分けると、「生命保険(第一分野)」、「損害保険(第二分野)」、「第三分野の保険」の3つに分けることができます。以下ではそれぞれの特徴や該当する保険について解説していきます。
生命保険(第一分野)
生命保険は、人の生死や病気、ケガによる入院などを保障する保険で、生命保険会社のみが取り扱うことができます。死亡や高度障害状態になった場合に残された家族の生活を経済的にサポートしたり、病気やケガの際の医療費負担や収入減をカバーしたりすることを目的としています。また生命保険の中には、貯蓄の側面を併せ持つものもあります。主な生命保険として次のようなものがあります。
[終身保険]
生涯にわたって保障が続き、死亡時に保険金が支払われる保険
[定期保険]
一定期間のみ保障があり、その期間内に死亡した場合に保険金が支払われる保険
[養老保険]
一定期間後に満期金が支払われると共に、死亡時には死亡保険金が支払われる、貯蓄性を持った保険
[個人年金保険]
契約者が老後の年金を受け取るための保険で、一定期間または生涯にわたって年金が支払われる
損害保険(第二分野)
損害保険は、モノや財産に関わるリスクに備える保険で、損害保険会社のみが取り扱うことができます。事故や火災、自然災害や盗難、または第三者による損害など、予期しない偶然的な事態によって発生した経済的な損失を補償することを目的としています。主な損害保険として次のようなものがあります。
[自動車保険]
自動車事故による損害や第三者への賠償責任を補償する保険
[火災保険]
火災やその他の災害による建物や財産の損害を補償する保険
[地震保険]
地震による損害を補償する保険で、通常、火災保険とセットで加入
[個人賠償責任保険]
他人に対して身体的・物的損害を与えた場合の賠償責任を補償する保険
第三分野の保険
第三分野の保険は、生命保険(第一分野)と損害保険(第二分野)のどちらにも属さない、あるいは両方にまたがる分野の保険を指します。第三分野の保険の場合、生命保険会社と損害保険会社のどちらも販売することができます。主な保険として、次のようなものがあります。
[医療保険]
病気やケガによる入院や手術の費用を保障する保険
[がん保険]
がんの診断を受けた場合に治療費や入院費用の保障に特化した保険
[介護保険]
介護が必要になった場合の費用をサポートする保険
[就業不能保険]
病気やケガで長期間働けなくなり収入が減るリスクを保障する保険
生命保険に加入するタイミング
ライフステージが変化するタイミングは、生命保険への加入を考えるポイントでもあります。就職、結婚、出産といったライフイベントに合わせて、生活や家計に影響を与えるリスクに備えるための保障を検討するとよいでしょう。
就職したとき
学生時代には親の保険に頼っていた人も、社会人になったら自分自身でリスクに備える責任が生じます。就職したばかりの頃は収入が安定しない場合もあり、病気やケガで仕事ができなくなると、治療費や生活費が大きな負担となります。そのため、就職したタイミングで医療保険や、必要に応じて就業不能保険を検討するのが一般的です。
結婚したとき
結婚したら、配偶者と共に支え合うことになるため、自分だけではなく相手の生活も考える必要が出てきます。すでに死亡保障に加入している場合でも、万が一の際に残された家族の生活が崩れるリスクに備えて、保障額を見直すことが重要です。また妊娠を予定している場合は、妊娠後の保険加入には制約がある場合もあるため、あらかじめ入院保障や医療保障を検討しておくとよいでしょう。
妊娠・出産したとき
子どもが生まれると、生活費や教育費の負担が増加します。このタイミングでは、家族全員のリスクに備えるため、死亡保障を厚くするなど、保障内容を見直すことが重要になります。また、子どもが成長すれば、教育費や進学費用も必要となります。これに備えるため、教育資金を確保するための保険の検討も欠かせません。
損害保険に加入するタイミング
車・バイク・自転車を購入するとき
車やバイク、自転車を購入する際には、事故による自分のケガや損害、さらには相手方への賠償費用に備えるため、必ず損害保険に加入しましょう。車やバイクを購入した際には、納車前に自動車保険に加入しましょう。納車後に自動車保険の加入手続きをすると、納車から自動車保険の補償がスタートするまで空白期間が生じ、万一、事故を起こすと補償に支障を来してしまいます。
家を購入する・家を借りるとき
家は火事、台風や大雪、地震など自然災害などで損害を受けるリスクがあります。そのため家を購入したり、賃貸契約を結ぶ際には、住まいに関する損害リスクに備える必要があります。家を購入した場合なら家の改修費用などに備える持ち家用の損害保険、賃貸なら賠償責任を負った場合や自分の家財のための損害保険などに加入するのが必須です。
旅行・レジャーに行くとき
旅行やレジャーに行くと、普段とは異なる環境のために、予期せぬケガをしたり、逆に他人にケガを負わせてしまう可能性があります。こうしたリスクに備える保険として、国内外の旅行保険や傷害保険、ゴルフ保険などがあります。さまざまな選択肢があるので、自分の活動内容に合わせて適切な保険を選ぶとよいでしょう。
それぞれの特徴を理解して最適な保険選びを
「人」を守る生命保険と、「モノ」に対する補償である損害保険は、対象や目的が大きく異なります。それぞれの特徴を理解した上で、ライフステージに応じて必要な保障を選ぶことが重要です。
ゼクシィ保険ショップでは、各家庭の状況やライフプランを考慮した死亡保障のアドバイスが可能です。「子どもが生まれたから死亡保障の見直しをしたいが、いくらがいいかわからない」「亡くなったときに受けられる公的遺族年金などの保障額を知りたい」などのお悩みがある人は、無料相談を受けてみてはいかがでしょうか?
※掲載の情報は2024年12月現在のものです。保険や税制、各種制度に関して将来改正・変更される場合もあります。手続き・届け出の方法も随時変わる可能性や、自治体により異なる場合があります。


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