ライフステージ別 保険の選び方 子どもの独立編
更新日:2020/10/20
子どもが就職や結婚などをきっかけに独立したら、子どもを養育するために掛けていた保険の見直しや、自分たちの老後資金について見通しを立てるなどの対応が必要です。ここでは子どもが独立したときの保険の選び方についてご紹介します。
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子どもが巣立ったら死亡保険や医療保険の見直しをしよう
子どもが独立すると、生活費や教育費などがかからなくなります。そのため、子どもが独立してから定年を迎えるまでは、自分たちの老後資金を貯めることに集中できる時期となります。これまで子どものためにお金がかかり、なかなか自分たちのための貯蓄ができなかったという場合は、この時期に貯蓄のスピードアップを図りたいところです。また、子どもが巣立って部屋が余ってしまうようなら、思い切って狭い家に引っ越すことで住居費を減らすなど、家計全体を見直す良いチャンスにもなります。
特に、子どもの独立は保険を見直すにも絶好のタイミング。例えば、親に万一のことが起きたときに、子どもに迷惑を掛けることのないようにと加入していた死亡保険も、保障額の減額などの見直しが必要になります。死亡保険の保障額を減額すれば、月々の保険料が減り、そのお金を貯蓄に回すこともできます。
解約を検討する人もいるかもしれませんが、死亡保険のうち貯蓄型に加入している場合は、その前に解約返戻金がどれぐらいもらえるか確認を。場合によっては、支払った保険料よりも少ない金額しか解約返戻金が受け取れない場合もあります。それならば、保険料を支払い続けて解約返戻金が100%を超えるタイミングを待つ方が得策かもしれません。
医療保険についても再検討が必要です。子どもが独立する年齢になったということは、親も同じように年を取ったということ。生活習慣病などの病気も心配になってきます。
これから年を取るごとに病気へのリスクが高まり、医療費がかかりがちになるため、医療保険は不足のないようにしておきたいものです。現在の医療保険で保障内容や保障額が十分か、改めて確認しましょう。
老後が近づいたら医療保険の再検討を
晩婚だった場合、子どもの独立時に自分自身の定年まであと数年しかないなど、老後が近づいているということもあるでしょう。そんな人は、医療保険について一層しっかりと考える必要があります。
医療保険の検討の際には、公的医療保険の「高額療養費制度」も考慮しましょう。この制度は、入院などで自己負担が高額になる場合、一定の限度額を超えた分が支給される仕組みです。公的医療保険の範囲内での治療の場合は、この制度があるため青天井で医療費がかかるわけではありません。
また、69歳までは医療費負担は原則3割ですが、70歳~74歳は原則2割、75歳以上になると原則1割とだんだん負担が少なくなります。定年後のことを考えれば、医療保障はしっかり備えたい一方で、保険料があまりに高いと生活を圧迫してしまいます。保障を手厚くすれば、その分保険料はアップします。公的医療保険でカバーできる部分もあるので、医療保険の保障を手厚くするあまり、保険料が高くなりすぎないように気を付けてください。
さらに、医療保険は、加入時の年齢を基に保険料が計算されるため、現在の保険をいったん解約して新しい保険に加入し直すと、保険料がアップしてしまうことがあります。すでに医療保険に加入している場合、安易に解約しないで慎重に検討しましょう。
子どもが独立したときに検討すべき保険の見直しのポイント
- 死亡保険の保障額を減額することを検討する。
- 医療保険の保障が十分か、再検討する。
- 公的医療保険の保障内容も考慮して医療保険を見直す。
- 保障を重視しすぎて保険料が高くなりすぎないよう注意する。
※掲載の情報は2020年9月現在のものです。保険や税制、各種制度に関して将来改正・変更される場合もあります。手続き・届け出の方法も随時変わる可能性や、自治体により異なる場合があります。
RT-00374-2010