がん保険は必要?
気になる保障内容や医療保険との違いは
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更新日:2020/4/2
がんの保障を手厚くしたがん保険。どんな保障が受けられるのか、がん保険に加入すべきかどうか悩んでいるあなたへ、詳しく解説します。
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がん保険とは
がん保険は、がん治療に備える保険です。医療費をカバーする保険には「医療保険」があり、がんも対象となりますが、医療保険のみでは保障が十分といえません。
長期的な通院や入院が予想されるがん治療では、定期的な薬代や診察料に加えて手術費用などで治療費が高額になることがあるためです。
また、医療保険のほとんどは給付金を受け取れる入院日数などに上限が設けられており、治療の途中で給付がストップすることがあります。 長期治療の可能性があるがん治療には十分ではない場合があるのです。
こうした医療保険ではカバーできない、がん治療に特化した保障を手厚くしたのが、がん保険です。
がんになるリスク
がんに特化したがん保険ですが、加入する必要はあるのでしょうか? まず、がんのリスクはどうなっているのか、国内の罹患(りかん)リスク、がん治療費について確認してみましょう。
表の「生涯のがん罹患リスク」は、各年齢の人が80歳まで生きたと仮定した場合の、がんになる可能性を表したものです。
現在の 年齢 |
10年後の がん罹患リスク |
生涯の がん罹患リスク |
||
---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
0歳 | 0.1% | 0.1% | 62% | 47% |
10歳 | 0.1% | 0.1% | 62% | 47% |
20歳 | 0.3% | 0.4% | 63% | 47% |
30歳 | 0.6% | 1% | 63% | 47% |
40歳 | 2% | 4% | 63% | 46% |
50歳 | 5% | 6% | 63% | 45% |
60歳 | 15% | 9% | 63% | 41% |
70歳 | 29% | 14% | 60% | 36% |
80歳 | ー | 53% | 28% |
0歳の人を基準に見ると、男性の62%、女性の47%は一生涯でがんになる可能性があることになります。将来的な罹患リスクを考えると、 若いうちから検討しておいた方が良いかもしれません。
がんによる死亡率が高い日本
2018年のがんによる死亡者数は386,680人。がんが、死亡者数の28.3%を占めており、国内の死因の1位となっています。続いて心疾患、肺炎となり、死因順は全年齢で見るとがんが最も多く、近年大きく変わっていません。(出典:平成30年人口動態統計(厚生労働省))
しかし、がん患者全体で見ると、決して死亡リスクが高いわけではありません。以下、国立がん研究センターのデータですが、若い人ほどがんによる死亡率は低いです。
現在の 年齢 |
10年後の がん生存確率 |
生涯の がん生存確率 |
||
---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
0歳 | 約100% | 約100% | 75% | 85% |
10歳 | 約100% | 約100% | 75% | 85% |
20歳 | 約100% | 約100% | 75% | 85% |
30歳 | 99.9% | 99.9% | 75% | 85% |
40歳 | 99.7% | 95.9% | 75% | 85% |
50歳 | 99% | 99% | 75% | 85% |
60歳 | 95% | 98% | 76% | 86% |
70歳 | 90% | 96% | 78% | 88% |
80歳 | ー | 84% | 91% |
医療技術の発達なども要因となって、がんになっても治療で生存できる可能性が高まりました。これに伴い問題になるのが、長期的な支払いが予想される治療費です。
がんの治療費の目安
がんの治療費の目安を確認してみましょう。以下は、2017年の厚生労働省の調査から抽出したデータです。
入院 | 入院外 | 平均 入院 日数 |
|||
---|---|---|---|---|---|
治療費 | 自己 負担分 (3割) |
治療費 | 自己 負担分 (3割) |
||
胃がん | 62万2015円 | 18万6604円 | 3万5820円 | 1万746円 | 17.1日 |
大腸がん | 61万2026円 | 18万3608円 | 4万2997円 | 1万2899円 | 19.2日 |
直腸がん | 72万2438円 | 21万6731円 | 5万8993円 | 1万7698円 | |
肝がん | 59万3109円 | 17万7933円 | 4万2179円 | 1万2654円 | 16.9日 |
肺・気管 がん |
65万1694円 | 19万5508円 | 8万6708円 | 2万6012円 | 16.3日 |
乳がん | 55万5279円 | 16万6584円 | 5万3520円 | 1万6056円 | 11.5日 |
子宮がん | 60万8755円 | 18万2627円 | 2万8014円 | 8404円 | - |
悪性 リンパ腫 |
95万5516円 | 28万6655円 | 6万6026円 | 1万9808円 | |
白血病 | 151万5979円 | 45万4794円 | 8万5641円 | 2万5992円 | - |
その他 悪性腫瘍 |
64万478円 | 19万2143円 | 5万4591円 | 1万6377円 |
表を見ると、入院治療費だけで1回当たり20万円程度の自己負担分が発生することが分かります(自己負担3割の場合)。入院費用には、通院でかかる治療費、入院時の食事代などは含まれませんから、実際の負担は30万円程度、あるいはそれ以上が予想されます。
また、表の治療費はあくまで健康保険が適用される治療を行った場合のもので、先進医療など保険適用外の治療費は含まれません。がんの種類、治療の方法によっては100万円以上の治療費がかかる可能性もあります。
がん保険で万が一に備える必要性
実際の治療費は、治療内容や治療期間によって変わってきますが、がん治療では多くの場合でまとまった治療費が必要です。自己負担を軽減するために、がん保険が必要ということはお分かりいただけたかと思います。
がん保険以外で使える高額療養費制度
がん保険に加入していなくても、健康保険や国民健康保険に加入しているすべての人は、高額療養費制度を利用できます。
高額療養費とは、病院などでの支払いが一定額を超えたときに、超えた部分の支給を受けられる制度のこと。支給申請を行えば、所得によって決められた上限額以上の負担をせずに済みます。
以下の表は、2018年8月診療から適用されている69歳以下の自己負担上限額です。
【2018年8月診療から適用 69歳以下の自己負担上限額】
区分 | 上限額 | 多数回該当 | |
---|---|---|---|
住民税非課税者 | オ | 3万5400円 | 2万4600円 |
標準報酬月額26万円以下 国保は所得210万円以下 (年収目安370万円以下) |
エ | 5万7600円 | 4万4400円 |
標準報酬月額28~50万円 国保は所得210~600万円 (年収目安370~770万円) |
ウ | 8万100円+ (医療費-26万7000円)×1% |
4万4400円 |
標準報酬月額53~79万円 国保は所得600~901万円 (年収目安770~1,160万円) |
イ | 16万7400円+ (医療費-55万8000円)×1% |
9万3000円 |
標準報酬月額83万円以上 国保は所得901万円超 (年収目安1,160万円以上) |
ア | 25万2600円+ (医療費-84万2000円)×1% |
14万100円 |
表を使って、年収450万円(区分ウに該当する場合)で、月々の医療費が10万円かかったときの上限を計算してみましょう。
- (例)80,100円+(100,000-267,000)×1%
=78,430円
自己負担の上限は78,430円になるので、10万円から差し引いた21,570円が支給されます。
所得によって区分は変わってきますが、このように高額療養費の利用で、多額の医療費をいきなり負担する必要はなくなります。 なお、表のうち「多数回該当」は過去12カ月のうちに3回上限に達したときに適用される上限額です。
ここで、年収450万円の人が毎月治療費に10万円支払った場合を考えてみましょう。
初めの3カ月の上限:78,430円
残り9カ月の上限:多数回に該当するため44,400円
年間の自己負担:高額療養費を利用して634,890円(本来は120万円)
自己負担はかなり減りましたが、それでも医療費の負担は人によっては大きく感じるのではないでしょうか。
がん保険ではどんな給付が受けられるか
高額療養費制度の利用でも一定の治療費負担が残ることを説明しました。そこで活用できるのが、がん保険です。契約内容にもよりますが、がん保険には以下のような給付があります。
- ・がん診断給付金(がんと診断されたら受けられる給付)
- ・がん通院給付金(がん治療の通院で受けられる給付)
- ・がん入院給付金(がん治療のための入院で受けられる給付)
- ・がん手術給付金(がん治療のための手術で受けられる給付)
- ・がん治療給付金(抗がん剤治療、放射線治療などで受けられる給付)
- ・先進医療給付金
例えば入院給付金や手術給付金は医療保険でもカバーされていますが、がん保険に追加で加入することで、医療保険とがん保険の両方から給付を受けることが可能です。高額になりがちな、がんの入院費と手術費を軽減できます。
もう一つ注目したいのが「先進医療給付金」です。こちらは、厚生労働大臣の認めた先進医療で治療した場合の給付金で、がん治療なら重粒子線治療(先進医療の範囲は見直されることがあります)などが適用可能です。
他にも、保険会社ごとに特色があり、在宅療養給付金や遺族向けにがん死亡給付金が設けられていることもあります。
結局がん保険は必要?
がんを見越して医療保険の保障を手厚くすると、医療保険はがん以外の病気療養も対象となるため、その分保険料が高額になりがちです。
がん保険でカバーできるのは、がん治療に限られますが、がんになったときの給付金の額を充実させられますし、医療保険と違って、ほとんどが入院日数無制限で利用できるため長期療養にも向いています。がん保険と医療保険の併用で保険料の負担をコントロールしつつ、将来のがんリスクに備えるのもありです。
けがや病気も同じですが、将来がんになるかどうかは分かりません。がんになる可能性、がんになったときの金銭的負担を考慮して、ご自身やご家族の状況に合わせて検討しましょう。
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がん保険は、ご自身やご家族の状況に合わせて加入検討しましょうと説明しましたが、イマイチぴんとこない方もいらっしゃるでしょう。がん保険一つとっても、さまざまなものがあるので、比較・選定するのに時間がかかりますし、せっかく時間をかけて選んでも、本当にご自身に合ったものでない可能性があります。
保険のことを相談するなら、ゼクシィ保険ショップの利用がおすすめ。ゼクシィ保険ショップには、こんなメリットがあります。
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初めて利用される方にも分かるように、ご自身やご家族にとって必要な備えは何か、具体的にどんな保障内容が必要か、どのくらいの保険料が目安になるか、ご提案します。
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