学資保険の返戻率で得する方法は?選び方のコツや注意点を解説
更新日:2022/08/26
学資保険の返戻率は、保険の種類や受け取る時期などによって数値に差があります。学資保険を選ぶ際には、そうした数値の違いを理解しておく必要があります。この記事では学資保険の返戻率からメリットデメリット、注意点を解説します。なるべく多くの金額を受け取るコツも解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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学資保険の返戻率とは
学資保険は、子どもの教育資金などを準備するための保険です。毎月一定の保険料を払い込み、子どもの大学進学のタイミングなどでまとまった額を受け取るという仕組みになっています。学資保険の返戻率とは、この支払った学資保険の総額に対して、最終的にいくら受け取るかを計算した数値のこと。返戻率(%)は、「受け取れる学資金などの総額÷払い込む保険料の総額×100」で計算されます。返戻率が100%以上であれば払った額以上に受け取れ、反対に100%未満の場合は払った額を下回るということになります。
学資保険の返戻率を上げる方法
学資保険の返戻率は、払い込み方や受け取り方などによって上げることができます。以下では返戻率をアップするいくつかの方法を紹介します。
学資保険に早めに加入する
一般的に学資保険の返戻率は、なるべく早く加入するほうが高くなります。 子どもの出産予定日の140日前から加入することができるため、出生前から早めに加入を検討しましょう。年齢が若いと死亡リスクが少ないため、夫婦の若いほうが契約者となって加入すると返戻率は高くなります。
保険料を早く払い終える
保険会社によって「10歳払済・15歳払済・17歳払済・18歳払済」などの期間が設けられています。保険料を早く払い終えることで運用する期間が長くなるため、返戻率を高めることに繋がります。なお一括の払込が最も返戻率が高く、加入時に保険料の総額を払い込むとその分返礼率に上乗せすることが可能です。もちろん月々の保険料が高くなれば、それだけ家計への負担は重くなるため、無理のない範囲で払込期間を決めるのが重要です。
支払いの満期時期を遅らせる
保険加入時に、学資保険の満期は設定可能です。満期時期が遅くなることで保険料の一部を運用する年数が長くなるため、返礼率が高くなります。15年満期、18年満期、20年満期など、遅らせるほど運用年数が長くなり、返礼率に反映されます。中学入学、高校入学など途中で一時金が受け取れるプランではなく、満期で受け取れるプランを選ぶとよいでしょう。
学資保険の種類
学資保険には大きく貯蓄型と保障型の二つのタイプがあります。それぞれ特徴があるため、把握しておきましょう。
貯蓄型
貯蓄型は、払込金額より多くのお金が受取れるタイプの学資保険。貯蓄性がある分、特約や保障のついていないシンプルなプランが多いのが特徴です。被保険者の親が病気などになった場合、それ以降の保険料が免除になるほか、満期学資金やお祝い金が受け取れるという仕組みになっています。なお、金利が固定されていない変動性を選んだ場合、満期学資金や祝い金の総額が少なくなる可能性があります。
保障型
保障型は、被保険者である子どもと、その親が受けられる生命保険の役割も担うタイプの学資保険。親が死亡・高度障害状態になった場合、「死亡保険金」や「育英年金」が受け取れます。ただし保障が手厚い分、貯蓄型に比べると返戻率が低く、100%を下回る元本割れになる可能性があります。公的な遺族年金だけでは不安、親に万一のことがあった時の備えを厚くしたいという人などにオススメです。
学資保険のメリット
学資保険にはいくつかのメリットがあります。以下ではそのうち主なものを紹介します。
銀行預金より利回りがいい
近年の低金利においては、銀行にお金を預けても運用益はほとんどないというのが現状です。一方、学資保険のなかには返戻率110%という商品もあります。低金利時代において、このような学資保険の返戻率は大きなメリットと言えます。また預貯金の利息とは異なり、学資保険では学資金から税金を引かれないのもポイントです。
生命保険料控除の対象になる
学資保険は生命保険料控除の対象となるのもメリットです。給与などから計算される所得金額から、医療保険や介護保険などと合わせて最大12万円が差し引かれるので、年末調整や確定申告によって所得税と住民税の負担を軽減することが可能です。ただし、ほかに生命保険に入っていたら使えない可能性もあるので注意しましょう。
教育資金の貯蓄ができる
教育資金を他の貯蓄とは分けて別口座で管理できるのも学資保険の利点です。保険料を払い込む際に自動で引き落としになるため、貯蓄が苦手という人でも安心です。なお学資保険は、加入中に積み立てた学資金を引き出せない点に注意です。
学資保険のデメリット
学資保険にはメリットがある一方で、デメリットもいくつかあります。メリットだけでなく、デメリットも理解しておきましょう。
元本割れのリスクがある
学資保険のデメリットの一つは、元本割れをするリスクがあるということ。学資保険に支払ったお金は基本的に満期まで戻ってこないので、その間に利益が下回る可能性があります。また学資保険は固定金利のため、インフレで金利が上がった場合でも契約時の金利のままで運用されることになる点で、インフレリスクに弱いという点も気をつけましょう。
リターンが少なめ
学資保険は株式投資など他の投資商品に比べてリターンが低く設定されています。学資保険は安定性の国債で運用されている場合が多いため、投資商品としてのリターンは期待しないほうがよいでしょう。
学資保険が必要な人・必要ない人
学資保険は万人が必要というわけではなく、必要がある人とない人がいます。必要性が高いのはどのような人かを理解しておくことも重要です。
学資保険が必要な人
親に万一のことがあった場合でも、教育費をきちん準備できる点が学資保険のメリットです。そのため病気やケガなど万一に備えつつ貯蓄をしたいという人は、学資保険が必要と言えるでしょう。また学資保険では、毎月自動的に保険料が引き落とされるうえ、原則自分では引き出せないため、コツコツ貯蓄するのが苦手で自身の管理でお金を貯められない人にも向いています。貯蓄や収入に不安があり、早い段階から教育資金を貯めたい人にも学資保険はオススメです。
学資保険が必要ない人
すでに教育資金の貯蓄ができているという人の場合、あらためて学資保険で準備する必要はないと言えます。また投資の運用に成功しており、学資保険以上の利回りを獲得している場合も、学資保険は不要です。金銭の管理が得意で、計画的な貯蓄をしてもらう必要がない人は、より柔軟に資金を活用できる方法で教育費を準備した方がよいでしょう。
学資保険を選ぶ際の注意点
学資保険を選択する際にはいくつかのポイントがあります。選ぶときには、以下の注意点にぜひ気をつけてください。
返戻率
すでに述べたように、学資保険では返戻率が高いほど得をするため、でなるべく返戻率の高い商品を選ぶようにしましょう。とはいえ返戻率を上げようとすると1カ月当たりの保険料の負担が高くなることもあるため、現在の収入に対して保険料が負担になりすぎない程度の金額かどうかを確認することが重要です。また、返戻率を上げたい場合は医療保険特約や育英特約は付けないでおくとよいでしょう。
保険金の受取時期や金額
返戻率をあげるために受け取る時期をずらしたりすると、必要なときに保険金がもらえない可能性があります。また学資保険への加入のタイミングによって、受け取れる保険金の金額が変わるので注意が必要です。さらに、保険金の受け取り時に税金がかかることも覚えておく必要があります。
保障の内容
すでに解説したように学資保険のタイプによって、子どもの医療保障や死亡保障などの内容が異なります。保障を手厚くするほど返戻率は下がるため、必要な保障を比較検討して選ぶとよいでしょう。
バランスを考えて最適な保険選びを
学資保険の返戻率は受け取りや払い込みの方法によって高めることができます。とはいえ、返還率を高くすることにこだわるあまり、保険料の負担を大きくしすぎて生活費などに影響が出ては元も子もないので、バランスを考えることが重要です。
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※掲載の情報は2022年4月現在のものです。保険や税制、各種制度に関して将来改正・変更される場合もあります。手続き・届け出の方法も随時変わる可能性や、自治体により異なる場合があります。
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