学資保険の必要性は?メリット・デメリット・不要な人・解約する際の注意点を解説
更新日:2022/12/20
子どもの教育資金などを準備するための保険である学資保険。学資保険の必要性は人によって異なります。自分に必要かどうかを判断するためには、学資保険のメリット・デメリットなどをきちんと把握しておくことが大切です。この記事では、学資保険のメリット・デメリットを紹介しつつ、どのような人に学資保険が必要なのかを解説していきます。
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学資保険とは
学資保険とは、子どもにかかる費用、主に教育費の準備をするための貯蓄型保険です。一定の保険料を支払うことで、子どもが契約時に定めた年齢になったタイミングで、契約内容に応じた保険金額を受け取ることができるというのが基本的な仕組みです。また、契約者である親に万一のことがあった場合に、保険料の払い込みが免除され、定めた年齢で子どもに給付金が支払われるのが特徴です。
学資保険の必要性は?
学資保険は万人が必要というわけではなく、必要がある人とない人がいます。まずは、必要性が高いのはどのような人かを理解しておきましょう。
コツコツ貯蓄ができない人
子どもが高校や大学へ進学する際には、大きな教育資金が必要になりますが、中には貯蓄するのが得意ではないという人もいるでしょう。その点、学資保険では、毎月自動的に保険料が引き落とされる上、原則自分では引き出せないため、コツコツ貯蓄するのが苦手で自身の管理でお金を貯められない人に向いています。
子どもを大学まで通わせたい人
私立大学と国立大学でかかる費用は異なりますが、平均して大学4年間で、私立なら約450万円、国立なら約240万円が必要とされています。いずれにせよ、子どもを大学まで通わせたいとなると、まとまったお金を用意しておかなければなりません。学資保険に加入して、満期を子どもの大学入学のタイミングに合わせて設定しておけば、大学にかかる費用を賄うことが可能になります。
学資保険の2つの種類
学資保険には大きく分けて、「貯蓄型」と「保障型」という2つのタイプがあります。それぞれ異なった特徴があるため、把握しておきましょう。
貯蓄型
貯蓄型は、文字通り貯蓄性があり、払込金額より多くのお金が受け取れるタイプの学資保険です。基本的に払込免除特約以外の保障を付けないため、保障型よりも返戻率が高くなるのがメリットです。特約や保障の付いていないシンプルなプランが多くなっているのも特徴です。契約時の金利が固定されるタイプの貯蓄型学資保険の場合は、保険料を満期まで支払い続けることで、元本は保証されます。ただし、外貨建ての学資保険を選んだ場合、為替レートの変動による影響を受けるため、円高が続いた場合は満期時の保険金が払った保険料より少なくなってしまうことがあります。
保障型
保障型は、被保険者である子どもと、その親が対象となる生命保険の役割も担うタイプの学資保険です。親が死亡・高度障害状態になった場合、「死亡保険金」や「育英年金」が受け取れます。また、子どもがケガや病気で入院・通院した場合などに医療保障が受けられる商品もあります。そのため、医療費への備えを厚くしたいという人などにおすすめです。ただし保障が手厚い分、貯蓄型に比べると返戻率が低く、一般的に支払った保険料の合計額よりも、満期保険金・祝い金の合計額は低くなります。
学資保険のメリット
学資保険にはいくつかのメリットがあります。以下ではそのうち主なものを紹介します。
親に万が一のことがあった際に保険料の支払いが免除される
学資保険では、契約者である親が亡くなったり、高度障害状態になった場合に、それ以降の保険料の払い込みが免除されます。もちろん、契約時に決めた祝い金や満期保険金も予定通りに受け取ることができます。親に万一のことがあっても、子どもの教育資金を確保できるのが、学資保険の大きなメリットです。
生命保険料控除の節税効果がある
学資保険の保険料は「生命保険料控除」の対象となる点もメリットです。生命保険料控除とは、支払った1年間分の生命保険料のうち一定額をその年の所得から差し引くことで、所得税と住民税を節税できる制度。所得税に関しては最大で4万円、住民税に関しては最大で2万8000千円の控除が受けられます。
自動引き落としで貯蓄ができる
学資保険では、指定した口座から決められた日付に保険料が自動的に引き落とされます。また途中で解約した場合には元本割れするリスクがあります。こうした理由から、自分でコツコツ貯蓄することが苦手な人でも、半強制的に貯蓄をすることができるのも学資保険の利点です。
学資保険のデメリット
学資保険には以上のようなメリットがある一方で、デメリットもいくつかあります。メリットだけでなく、デメリットも理解しておきましょう。
お金を引き出しにくくなる
預貯金とは違い、学資保険では、解約しない限り払い込んだ保険料を途中で引き出すことができませんが、途中で解約すると元本割れを起こす可能性があります。そのため、急にまとまったお金が必要になったときなどに対応がしづらいというデメリットがあります。このことは、上で解説したような半強制的に貯蓄ができるというメリットと背中合わせになっていると言えます。
インフレのリスクがある
学資保険のような貯蓄型の保険は一般に、将来的な物価変動に弱いというインフレリスクを含んでいます。学資保険は契約時の返戻率で固定されるので、保険金の受け取り時にインフレで物価が上昇していると、実質的な返戻率が減少することになり、結果的に必要な教育資金が不足する恐れもあります。
保険会社が倒産すると保険金が減少する
学資保険を販売する保険会社が破綻したとしても、全てが無効になってしまうわけではありません。その場合、生命保険契約者保護機構によって責任準備金の9割は保護を受けることができます。裏を返せば、残りの1割については保護されずなくなってしまう可能性があるということです。
学資保険が不要な人
すでに学資保険が必要な人については述べましたが、逆に学資保険に加入する必要がない人に関しても確認しておきましょう。
資産運用を検討している人
学資保険は固定金利なので、経済状況の変化で金利が上がっても得られる金利は変わりません。そのため、リスクを取って積極的に運用することで、より大きなリターンを狙いたいという人には、保険より投資の方が向いているでしょう。
学費の貯蓄ができている人
学資保険は将来の教育資金を確保するための保険です。従って、ある程度子どもの学費のための貯蓄ができている人であれば、学資保険に加入する必要がない場合もあります。例えば、すでに400万~500万円以上教育資金として用意できているのであれば、加入は不要でしょう。また、まだ貯蓄はないが、自分でコツコツ貯蓄ができるという人も学資保険へ加入する必要性は低いと言えます。
学資保険を解約する際の注意点
どうしても急にまとまったお金が必要になって、学資保険を途中で解約せざるを得ないということもあるかもしれません。学資保険を解約する際には、元本割れのリスク以外にもいくつかの注意すべき点があります。
再契約できなくなる可能性がある
学資保険は、加入期間が決まっているものがほとんどです。保険会社によっても異なりますが、0~6歳の小学校入学前と定められているのが一般的です。また、親にも年齢制限があり、一般的には、男性は55~60歳まで、女性は60~65歳までとなっています。そのため、一度解約すると再加入できなくなる可能性があります。
再加入時に保険料が高くなる
仮に再加入できたとしても、以前に加入したときよりも保険料は高くなります。それは、年齢が上がるにつれ死亡や高度障害、病気・ケガといった万が一のリスクが高くなるため。また、加入期間が少ないと払った保険料に比べて満期で受け取れる金額も減ってしまうため、結果として元本割れするリスクも高くなります。
万が一に備えての保障がなくなる
学資保険には、親に万一のことがあった際に保険料の支払いが免除になる「保険料払込免除特則」があります。学資保険を解約してしまうとこの保障機能がなくなってしまうため、もしものことがあったときに対応ができなくなってしまいます。そのため、解約を検討する場合には、学資保険には貯蓄だけでなく生命保険としての面もあることをきちんと考慮する必要があります。
学資保険を選ぶ際のポイント
学資保険を選ぶ際にはいくつかのポイントがあります。選ぶときには以下の点に注意をしてください。
返戻率を考慮する
学資保険の「返戻率」とは、払い込んだ保険料の総額に対して、最終的にいくら受け取れるかを示した数値のこと。返戻率(%)は、「受け取れる学資金などの総額÷払い込む保険料の総額×100」で計算されます。返戻率が100%以上であれば払った額以上に受け取れ、反対に100%未満の場合は払った額を下回るということになります。学資保険を選ぶ際には、この返戻率がどのくらいであるかをしっかりと確認することが重要です。
貯蓄型と保障型を比較する
すでに紹介したように、学資保険には貯蓄型と保障型の2つのタイプがあります。両者とも長所・短所があり、どちらが良いかということは一概には言い切れません。そのため、自分のニーズに合った方を選択することが大切です。
保険料の払込期間・受け取り期間を確認する
学資保険では、保険会社によって「10歳払済・15歳払済・18歳払済」などの払込期間が選べるようになっています。この払込期間を短くすると、保険料の総支払額は少なくなるため、返戻率を高めることに繋がります。義務教育期間中は比較的教育費がかからないので、義務教育期間中に払い込みが完了する「15歳払済」や「10歳払済」がおすすめです。とはいえ、もちろん月々の保険料が高くなれば、それだけ家計への負担は重くなるため、自分にとって無理のない範囲で払込期間と受け取り期間を決めるようにしましょう。
メリット・デメリットをしっかり理解して判断を
学資保険は子どもの教育資金を貯める大きな味方になってくれます。ただし、学資保険の必要性は人それぞれのため、学資保険のメリット・デメリットをきちんと理解した上で、自分に必要かどうかを判断するようにしましょう。自分だけではどのような学資保険を選べばよいかわからないという場合には、保険ショップに相談するのがおすすめです。
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※掲載の情報は2022年12 月現在のものです。保険や税制、各種制度に関して将来改正・変更される場合もあります。手続き・届け出の方法も随時変わる可能性や、自治体により異なる場合があります。
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